文京区・盛岡市友好都市提携記念 第14回全国高校生短歌大会(短歌甲子園2019)結果


広報ID1028387  更新日 令和3年9月16日


文京区・盛岡市友好都市提携記念 第14回全国高校生短歌大会(短歌甲子園2019)の結果をお知らせします。


団体戦結果

 

決勝

題:「咲」

順序

白:【青森県】青森県立八戸高等学校

赤:【沖縄県】昭和薬科大学附属高等学校

先鋒

<1年 平 こころ>

不可能を可能にさせた

汚れた手

無農薬のりんごの花咲く

<2年 徳村 帆華>

一枚の布に咲かせた向日葵を

陽(ひ)へと翳せば

思い出す祖母

中堅

<1年 山田 貴之>

道端の露草のごとく小さくも

笑顔を咲かす

抱(かか)えた赤子

<2年 国吉 伶菜>

桜桃を食(は)みつつ桜咲く様を

覗き楽しむ

ヒトの優越

大将

<2年 谷地村 昴>

弘前の城のお堀に咲く花が

誤解も不和も

止揚していく

<2年 島袋 乃碧>

灰色の箱が生み出す爆音は

今か

咲く花ただ揺らすのみ

 

準決勝

第1試合

題:「炎」

順序 白:【徳島県】徳島市立高等学校 赤:【沖縄県】昭和薬科大学附属高等学校

先鋒

<2年 岡本 舞>

あの日見た強い私はどこですか

未だ消えない

炎がゆらぐ

<2年 徳村 帆華>

我が祖母へ

ウチカビとともに刺繍したハンカチ投げ込む

炎よ上がれ

中堅

<2年 木下 美優>

炎天に峙つ(そばだつ)大木 その葉陰

空蝉(うつせみ)ひそり

一人おりけり

<2年 国吉 伶菜>

沖縄と本土(ないち)に隔たる

境界は

火炎瓶では燃やせぬ海で

大将

<2年 齋藤 瑛美里>

君の指す

一等星は青く冴え

同じ炎を隠し持つ僕

<2年 島袋 乃碧>

流木の炎の中に虹を見る

燃えろよ燃えろ

夏の夜はまだ

第2試合

題:「炎」

順序 白:【東京都】渋谷教育学園渋谷高等学校 赤:【青森県】青森県立八戸高等学校
先鋒

<1年 岡 奎那>

人はみな

うちに炎を秘めていて

君の燃えないゴミになりたい

<1年 平 こころ>

炎天下サヨナラ負けをピッチャーは

受け入れてゆく

土をつかんで

中堅

<1年 古波鮫 空己>

篝火の

ゆらめく炎手を伸ばす

火の粉きらめき夜空に消える

<1年 山田 貴之>

十五年我を育てた母親は

火炎を背負う

不動明王

大将

<1年 嶋津 岳大>

T字路の左を選ぶ

海街に暮らす陽炎を

今日も看取る

<2年 谷地村 昴>

空襲の炎の中で耐えたのだ

コバルト色の空よ

広がれ

 

個人戦結果

最優秀作品賞

【岐阜県】
岐阜県立飛騨神岡高等学校
玉腰 嘉絃(3年)

題:机

日の香りかすかに残る文机を
だきしめるように
眠りたい春

優秀作品賞

【宮城県】
宮城県古川黎明高等学校
佐藤 あやか(3年)

題:実

あふれくる言葉が声にならなくて
いちじくの実を
押し潰す夜

特別審査員小島ゆかり賞

【沖縄県】
昭和薬科大学附属高等学校 國吉 伶菜(2年)

題:流

碧海に
コンクリートを流し込み
儒艮の墓を建てる辺野古に

石川啄木賞

【福岡県】
福岡雙葉高等学校  本田 瑞稀(2年)

題:空

逆さまの空を蹴り上げ泥だらけ
十七歳の
私はここだ

話題作品賞

    題:空

    空色のボーダーシャツに
    たくさんの音符をうかべ
    改札ぬける

    題:川

    川の縁宿るモンシロチョウ 
    いつか
    時の長針壊してみたい

    題:友

    親友とゴム交換したクルトガは
    筆入れの中
    いちばん上に


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