第13回全国高校生短歌大会(短歌甲子園2018)結果


広報ID1024232  更新日 令和2年7月31日


第13回全国高校生短歌大会(短歌甲子園2018)の結果をお知らせします。


団体戦結果

決勝

題「光

白:【岩手県】岩手県立盛岡第三高等学校

先鋒

<阿部 理恵(2年)>
思い出は
光の森で遊んだ日
緑の丘の小さな足跡

中堅

<鈴木 陽(2年)>
逆光の中
友の顔描きてけり
月の裏側眺むる心地

大将

<西山 綾乃(1年)>
水底に鱗が光る
錦鯉
私の歩幅くらい大きい

赤:【茨城県】茨城県立下館第一高等学校

先鋒

<林 里美(2年)>
地下へゆくエレベーターの
電光に包まれるとき
孤独に気づく

中堅

<袖山 空大(2年)>
冷蔵庫の上は荒野の光景だ
大人になるとは
嘘を知ること

大将

<大幡 浅黄(2年)>
すれ違う肩それぞれの持っている
朝の光がまぶしくて

準決勝

題「香」

白:【福岡県】久留米大学附設高等学校

先鋒

<高宮 明里(2年)>
ハンカチを差し出した日に
汗の香をとどめていたく
迷う脱衣所

中堅

<高山 瑛梨花(2年)>
線香の煙よ伸びろ
長々と
声も手ももう届かぬ場所

大将

<有吉 玲(2年)>
香りから忘れてゆくよ
声 仕草
君はいたのだそこにいたのだ

赤:【茨城県】茨城県立下館第一高等学校

先鋒

<林 里美(2年)>
始まりは
陽射しの優しい教室で
青葉の香りの濃くなった恋

中堅

<袖山 空大(2年)>
コーラにもカレー粉にもある
香料のようで
私に必要な君

大将

<大幡 浅黄(2年)>
線香花火ぽとりと落ちて
青春と言い切るだけの夏が
足りない

題「香」

白:【岩手県】岩手県立盛岡第三高等学校

先鋒

<阿部 理恵(2年)>
白銀のステンドグラスなぞりつつ
指に残った
みかんの香り

中堅

<鈴木 陽(2年)>
人生は線香の如し
火を灯す焔のような
人になりたい

大将

<西山 綾乃(1年)>
手に残る綿雪の香は
あたたかく
故郷の冬は凛としている

赤:【北海道】市立函館高等学校

先鋒

<江川 さくら(3年)>
祖父の吸うタバコの煙
深夜帯
もう思い出せない香りだと

中堅

<竹駒 省吾(1年)>
駒ケ岳風の香りに鼻つまみ
「おんせん行くか」
父の手握る

大将

<佐久間 このみ(2年)>
急ぎめに後を追ったら漂った
厳しい顧問
やさしい香り

個人戦結果

最優秀作品賞

【宮城県】
宮城県宮城第一高等学校
鈴木 そよか(2年)

題:花

この街のすべてが
灰になったこと
忘れたような朝顔の花

優秀作品賞

【秋田県】
秋田県立能代高等学校
堀内 和佐(2年)

題:音

頼りないこの心音を抱きしめて
銀河の中に
ひとりで眠る

特別審査員小島ゆかり賞

【福岡県】
久留米大学附設高等学校 有吉 玲(2年)

題:転

モノクロの世界を
反転させたひと
空の青とはこんなに青い

石川啄木賞

【岩手県】
岩手県立盛岡第三高等学校  鈴木 陽(2年)

題:転

転輪と火砲の砕く
中東の煉瓦を知らぬ
十三の我

話題作品賞

    題:自由題

    青色は冷静になる色だ
    とは心理学者の言った
    デマカセ

    題:跡

    「口」が「〇」となる筆跡君の癖 
    暗号解くごと
    追う我の癖

    題:新

    朝3時
    団体様でチェックイン
    ビートを刻む新聞紙たち


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