広報ID1006724 更新日 令和2年7月29日
浴槽などの設備において、レジオネラ属菌という病原菌が発生し、人に感染することがあります。レジオネラ属菌の発生を防ぐためには、施設を衛生的に管理する必要があります。
レジオネラ症とは、レジオネラ属菌に感染することで起こる感染症です。乳幼児や高齢者、病人など抵抗力が低下している人や、健康でも疲労などで体力が落ちている人に発症しやすいといわれています。高熱や呼吸困難、意識障害などによって死亡することもある「レジオネラ肺炎」と、発熱などが起こるものの数日で治ることの多い「ポンティアック熱」の2種類に分けられます。
レジオネラ属菌は土の中や河川、湖沼など自然環境中に生息しており、アメーバなどの原生動物に寄生して20℃から50℃で増殖します。私たちの身の回りでは、循環式の浴槽水や空調設備の一部である冷却塔の水から検出されることがあります。浴槽や配管などの表面にできるねばねばした膜(生物膜、バイオフィルム)が、レジオネラ属菌の温床となります。
レジオネラ属菌に汚染された目に見えないほどの細かい水滴(エアロゾル)を吸い込むことで感染します。よって、循環式の浴槽水を連日使用しているような場合、この浴槽水をシャワーやジャグジーに用いることは危険です。公衆浴場や旅館などの許可施設では、このような設備は認められていません。
貯湯槽では60℃以上の水温とすることで、レジオネラ属菌の繁殖を防ぐことができます。また、適切な濃度の塩素溶液により殺菌することができます。ただし、前述の生物膜が形成されている場合、消毒溶液が膜の内部に届かず、レジオネラ属菌の増殖が続きます。よって、清掃により浴槽や配管にできた生物膜を除去したうえで、塩素溶液などで消毒することが重要です。
レジオネラ属菌が増殖するおそれのある主な場所としては、旅館、ホテル、社会福祉施設の浴槽や、銭湯などの公衆浴場のほか、追いだき機能などによる配管が接続された家庭用の浴槽が挙げられます。また、ビルの空調設備や冷蔵設備の一部として使用される冷却塔もレジオネラ属菌繁殖防止のための対策が必要です。
許可施設である旅館やホテル、公衆浴場については、条例によりレジオネラ属菌の水質検査などの衛生管理が義務付けられています。
レジオネラ属菌の発生を防ぐためには、清掃、塩素などによる消毒、貯湯槽の温度管理が重要です。
生物膜が発生しやすい配管の内部は、高圧水や過酸化水素(2から3%)によって膜を除去したうえで、高濃度の塩素溶液(1リットルあたり5から10ミリグラム)で消毒することが有効です。消毒には、60℃以上の高温水を循環させる方法もあります。
業務用、営業用の浴槽水は、遊離残留塩素濃度を1リットルあたり0.4ミリグラム程度に維持して使用することが重要です。塩素濃度は、比色法(DPD法)によって簡便に測定することができます。
これらの清掃消毒については、配管などの劣化や腐食を招く場合もあることから、事前に設備の材質を確認し、専門業者に相談してください。薬剤の使用に際しては、その取り扱いに注意する必要があります。管理方法の詳細については、下記「レジオネラ症防止リーフレット」のほか、「厚生労働省によるレジオネラ対策のページ」をご覧ください。
平成27年には、市内の公衆浴場施設(現在は営業を廃止しています。)を原因としたレジオネラ症の集団発生事例がありました。市保健所は、当該施設に対し、公衆浴場法に基づき60日間の営業停止を命じました。入浴施設の営業者の皆様には、利用者が安心して入浴できるよう、施設の衛生管理の徹底をお願いします。詳細については、下記リンク先「入浴施設におけるレジオネラ症の集団発生について」をご覧ください。
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