広報ID1008839 更新日 平成28年8月21日
PCBとは、ポリ塩化ビフェニル(Poly Chlorinated Biphenyl)の略称で、炭素、水素、塩素からなる油状の物質。 水に不溶、高沸点などの物理的性質と、熱で分解しにくい、不燃性、絶縁性が良いなどの化学的に安定した性質を有することから、電気機器の絶縁油、熱交換器の熱媒体、潤滑油、可塑剤、塗料などさまざまな用途に利用されてきました。
国内では1954年からKC-300、400、500、600といった製品名で製造されるようになりましたが、1968年に食用油の製造過程において、熱媒体として使用されたPCBが混入し健康被害が生じる事件が起きたことなどにより、その毒性が社会問題化し、1972年以降PCBの製造が禁止されました。この間約5万9000トンのPCBが生産され、このうち約5万4000トンが国内で使用されました。
一般にPCBの中毒症状として、目やに、爪や口腔粘膜の色素沈着、ざ瘡様皮疹(塩素ニキビ)、爪の変形、まぶたや関節の腫れなどが報告されています。また、脂質に溶けやすいという性質から、慢性的な摂取により体内に徐々に蓄積し、さまざまな症状を引き起こすことのほか、発ガンなどのおそれがあると懸念されています。
また、環境中に放出されると、その難分解性、高蓄積性、大気や移動性の生物種を介して長距離を移動するという性質から、将来の世代にわたり、地球規模の環境汚染をもたらすものでもあります。
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